- 計測の概要動的耐震診断は、1、診断機器を建物2階に設置して小さな地震を起こし、2、そのときの建物1階の揺れを計測して、3、建物が震度いくつの地震まで安全性が高いかを推測するシステムです。
- 調査内容小さな地震で建物を揺らして計測する動的耐震診断でわかることは、木造住宅の耐震性を判断する上で、もっとも大切な、「建物全体の硬さ(揺れやすい建物かどうか)」と、「建物各部の硬さのバランス(揺れ方のバランス)」です。
一方で、柱や梁、壁などの構造部分が丈夫に緊結されているか(接合部の耐力)、基礎や土台が頑丈か、など、小さな地震ではわからないこともあります。これらの点の検討が必要なことは、また、より多角敵な検討を行うためにも、動的耐震診断は、簡易耐震診断・精密耐震診断で耐震補強が必要と判定されたときに利用されることをお奨めします。
住まいの平面の形は凸凹していると、地震の力が建物全体に平均的に伝わらず、弱い部分に集中し被害を受けやすくなります。
地震時に柱、梁、および耐力壁にかかる力の負担を小さくするため、建物自体の重量を軽くする方法があります。モルタル外壁を落として軽いサイディングに張り替えますが、その際に下地版もはがして、構造用合板下地に張り替えると耐力がアップして壁量を増やすことになるため一石二鳥の効果があります。
壁と同じく建物自体の重量を軽くするために、図-1のように屋根を鉄板、住宅用化粧スレート等の軽い材料に葺き替えたり、図-2のように土葺き瓦を釘止め瓦に葺き替えます。下地についても野地板をはがし構造用合板を張り替えると水平方向の耐力がアップします。
壁と同じく建物自体の重量を軽くするために、図-1のように屋根を鉄板、住宅用化粧スレート等の軽い材料に葺き替えたり、図-2のように土葺き瓦を釘止め瓦に葺き替えます。下地についても野地板をはがし構造用合板を張り替えると水平方向の耐力がアップします。
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- 玉石基礎の補強
- 玉石に束立てした柱は、地震時に柱が浮き上がったり水平移動した際に、基礎を踏み外して被災する恐れがあるため、鉄筋コンクリート造の布基礎に替え、土台を新設して基礎にアンカー ボルトとで緊結して補強します。
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- 土台の固定による補強
- 土台と基礎を固定するためには施工アンカーを設置してアンカーポイントの数を増やしたり、古くなったアンカーボルトとの替わりにします。また、基礎の一部が沈下することなどにより、土台と基礎に大きな隙間が生じる場合には、モルタルを住填して補修します。
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- 無筋コンクリート造基礎の補強
- 建物外周および建物内部の耐力壁の下には、上から加えられた力を地盤に伝えるため、十分な強度と耐力を持った、鉄筋コンクリート造の布基礎を設ける必要があります。新に基礎を打ち直すことができない場合には、無筋コンクリート造基礎の一部を取り壊して下図の方法などにより補強します。
地震時には左右の揺れ(横揺れ)により建物に横方向から押されたような大きな力がかかります。
木造住宅ではこの力を筋交を入れたり、合板を貼るなどしたした壁で支えられることになります。
この、横からの力に抵抗できる強さを持った壁を耐力壁といいます。
建築基準法では、この耐力壁の最低量を定めており、不足している場合は補う必要があります。
また、耐力壁が偏って配置されている建物は地震によってねじられて、壊れやすくなります。
木材そのものは引っ張ったり、圧縮したりする力に比較的強いものですが接合部は特別な補強をしないかぎり、引っ張ると比較的簡単に外れたりします。筋交の接合部、 柱と梁などの接合部は、適宣、金物により補強する必要があります。
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- 壁の補強
- 地震の力に抵抗できるように壁は筋交をいれたり、構造用合板を貼って耐力壁にします。
構造用合板張りの耐力の増設は、筋交のように欠き込みを要せず下地を兼ねるので、合理的で信頼性も高い補強方法です。店舗などの大開口部では、長さ90㎝以上の筋交入りの壁を両側に設けるか、あるいは柱上部の隅を方づえおよび添え柱で補強します。
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- 耐力壁の配意による補強
- 耐力壁の量を増やすとともに、釣り合いよく配置します。特に、建物の外周には耐力壁を設け、隅角部にL型に配置します。また2階の耐力壁の真上になるように配置します。
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- 接合部の補強
- 柱と柱、柱と梁そして筋交などの接合部は、地震時に普段より大きな力が働くため、これからの力に抵抗できる金物などにより、補強する必要があります。特に通し柱となる隅柱や、筋交材が取り付く柱には大きな力がかかるため、十分な補強が必要です。また、補強金物には、企画表示としてZマーク、CマークおよびMマークの表示がしてありますので、それぞれ建物本体の工法に合った金物を使用してください。